A04 神経伝達物質の異常に伴う超適応を誘発する脳活動ダイナミクスの変容

研究概要

takakusaki
A04 研究代表者
高草木 薫

我々の日常行為のほとんどは、認知機能の一種である遂行機能(注意・予測・作業記憶など)と運動機能の統合による連続的・並列的なマルチタスクで構成される。この認知-運動連関は加齢(老化)や神経変性疾患で障害され、その背景には脳神経細胞の障害・変性に加えて神経伝達物質の異常が存在する。本研究では「加齢や神経変性疾患に伴うドーパミン(DA)やアセチルコリン(ACh)などの神経伝達物質の減少に伴う脳活動ダイナミクスの変容に対して発現される“行動遂行則の変更”が“超適応”を誘発する」という作業仮説を検証する。
この仮説を検証するため、ヒトにおける臨床研究(Hanakawa et al.)と実験動物における基礎研究(Takakusaki et al.)を実施する。臨床研究では、加齢やパーキンソン病に伴って低下する中脳DA 系に着目する。DA 依存性の脳活動ダイナミクス低下と行動選択に関わる遂行機能低下の因果関係を、脳機能イメージングと脳刺激法を用いて証拠立て、「加齢により変容する脳活動のパラメータ」を同定する。動物実験では、DA 系に加えて、アルツハイマー型認知症で障害を受けるACh 系に着目する。ネコのACh 系とDA 作動系の活動を分子遺伝学手法で慢性的に低下させた際の“遂行機能”(姿勢制御-歩行-前肢リーチング運動)の障害・回復過程に対応する大脳皮質-皮質下活動を神経生理学的手法で測定し解析する。
モデル研究班(B04)との共同研究を実施し、行動遂行則の変容に及ぼす各神経伝達物質の特異的機能を構成論的手法で解明することに貢献する。また、研究成果をA01、B01班と共有し、「行動の動機付けの解明(A01)」と「姿勢制御の数理モデルの構築(B01)」にも貢献する。

研究組織

研究代表者 高草木 薫 旭川医科大学 医学部 教授
研究分担者 花川 隆 国立精神・神経医療研究センター 先進脳画像研究部 部長